特許の価値について諸々調査されているレポート

こんにちは、GODIVEです。
さて、今回は「特許の価値について諸々調査されているレポート」についてです。

直近だと、昨年なのですが、経産省HP掲載されている以下があります。
令和5年度技術開発調査等推進事業(あるべきイノベーション政策の検討に向けた調査事業)
調査報告書
EY新⽇本有限責任監査法⼈
令和6年3⽉22⽇
参考:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000083.pdf
冒頭で、研究開発費のデータが記載されていて、2.1以降(p20ページ以降)で業界別の特許の価値について紹介されております。
特許の価値は、p20にて以下のように算出した、と記載されております。
「特許スコアは各特許の技術的価値(他の特許による引⽤)と市場(どれだけの国で特許化されているか)で算定されるもの」
p45の考察で以下のように紹介されております。
「• 今回の分析は研究開発費額上位2,000社を対象としており、それらの特許⼒の総合値は⽇本全体の特許⼒であるとみなせる。その総合値の43%をも占めるのが電気機器業界である分析結果となった。なお、次いで化学業界が17%、輸送⽤機器(⾃動⾞)業界が12%と、2位、3位に位置していた。
• 電気機器業界は、特許⼒と売上⾼に強い相関(相関係数0.8)がある業界である。また、1件の特許の価値は医薬品業界の38%と低めではあるが、出願規模がかなり多く特許総合⼒で稼ぐ業界といえる。すなわち、特許の1件のライセンスで稼ぐというよりかは、多くの特許の総合⼒を組み込んだ製品で稼ぐものと想定される。これは、アンケート(4-3)の回答集計において、対象知財を組み込んだ製品(Embedded IP)の売上があると回答した企業が最も電気機器業界で多かった結果と⼀致する。
• ⾃動⾞業界は、特許総合⼒、出願規模の⼤きさについて電気機器業界に次いで第2位の業界である。電気機器業界と同様に1件の特許でというよりかは特許の総合⼒で稼ぐ業界となる。なお、アンケートによりEmbedded IPの売上があるとの回答数は、電気機器業界に次いで多かった。
• 医薬品業界も、特許⼒と売上⾼にかなり強い相関(相関係数1.0)がある業界である。また、出願規模は他と⽐べてかなり少ないものの、1件当たりの特許の価値がずば抜けて⾼い。すなわち、1件の特許の⾼い質を⼀つの商品に繋げて稼ぐ業界といえる。また、特許の1件の価値が⾼いためその特許で稼ぐこともでき、ライセンス収⼊の取得が⼤きい業界であると想定される。なお、これはアンケート(4-1)の回答集計でライセンス料や譲渡所得等を特許権から得ていると回答した企業が最も医薬品業界で多かった結果と⼀致する。このように医薬品業界は1件の特許の質がかなり⾼いといえるが、そのような特許を出願するには⻑い期間の研究開発が必要であると想像され、1件の特許を出すために他よりも時間を要すると考えられる。」

形は違えど、特許の影響というのはどの業界でも一定程度あるものというのは長年変わらない、というところと思います。

なお、別の日経Xtech(今年2月18日付)で、日産社とトヨタ社との研究開発費と特許との関係を記載した投稿があります。

参考:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/03093/021300001/

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