こんにちは、GODIVEです。投稿遅くなり失礼致します。本日は、2026年3月19日に特許庁HPにて更新された審判実務者研究会報告書2025の内容を2回に分けて一部紹介していきます。
参考URL:「審判実務者研究会報告書2025」(特許庁ホームページ)https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/kenkyukai/sinposei_kentoukai.html 最終閲覧日:2026年5月7日
今回は、事例研究1(一般的な論点)で挙げられているサポート要件であります。
このテーマ3では7事例挙がっております。p53にて、ア:参考判決の整理、にて、判断の基礎(明細書、明細書+技術常識)、クレームと実施例との関係について、概略がまとめられております。また、考察で、p58からp59に実施例について、どの程度記載が必要か?について記載等されております。ここで引用致します。↓(イ)実施例について 本来どのぐらいの数があれば、そもそも実施例が不足していることにはならないのかについては、上記アの考え方も踏まえると、帰納的なロジックの場合においてサポート要件充足判断のためには、実施例については、帰納的に相関性を説明するために十分な程度の種類・数が明細書に記載されていればよいという点で、概ね意見が一致した。 これに関する具体的な意見としては、課題解決に関係する構成要件が上位概念の化合物としてクレームされている場合には、その範囲が広いほど、帰納的に相関性を説明するために実施例で示されるべき化合物の種類はより必要となるとの意見や、クレームの範囲内でなるべく共通点が少ない化合物の種類で実施例を示しておくとサポート要件の充足性を主張しやすくなるとの意見があり、一方、課題解決に関係する構成要件として数値範囲がクレームされている場合は、少なくとも数値範囲の上限、下限、中央の3点が実施例で示されていると説明しやすいとの意見があった。 これに関して、参考判決⑥、⑦に注目した意見としては、参考判決⑥では、単離された各甘味成分の効果が理解でき、実施例では、甘味成分量の数値範囲のうち課題解決に最も不利な数値に近い実施例が示されている。一方、参考判決⑦では、請求項で規定された各成分のみによる効果が明確に理解できない点に加え、食塩濃度の数値範囲のうち課題解決に最も有利な数値の実施例しかなく、不利な数値としても課題解決できることのデータや作用機序の説明がない。このような場合に、発明の課題を解決していると認識できるために、求められる「手がかり」としては、実施例や比較例の記載からの推測が必要となり、課題解決に最も不利である数値や概念であっても課題解決可能であることをデータや作用機序により示されている必要があるという意見もあった。 また、参考判決④に注目した意見としては、明細書の一般記載(実施例以外の技術的関係についての記載)が不十分にみえるものの、実施例がクレーム範囲をカバーするように開示されているからサポート要件を充足すると判断されたこともあるのではないかという意見もあり、さらに、参考判決④の実施例データのうち数値範囲が更に欠けていたとしても、クレーム範囲が十分に狭ければそれで足りると判断される可能性もあり、実施例の数や一般記載が充実していなくても、クレームの範囲が相応に狭くなっていればサポート要件を満たす場合もあるとのコメントも出された。 視点を変えた意見としては、実施例の数値・評価結果からは、様々な考察が得られるため、主張したい内容に応じて考察を抽出できる傾向があり、また、実際の実験結果であるため信頼性が高く、主張の有効性が高いとの意見が出された。
出典:「テーマ3(特許化学)」(特許庁ホームページ-審判実務者研究会報告書2025)https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/kenkyukai/sinposei_kentoukai/document/2025_houkokusyo/01_chemistry.pdf 最終閲覧日:2026年5月7日
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ここで、特に以下が参考等になるかと存じます。・クレームの範囲内でなるべく共通点が少ない化合物の種類で実施例を示しておくとサポート要件の充足性を主張しやすくなるとの意見があり、一方、課題解決に関係する構成要件として数値範囲がクレームされている場合は、少なくとも数値範囲の上限、下限、中央の3点が実施例で示されていると説明しやすいとの意見があった。・実施例の数値・評価結果からは、様々な考察が得られるため、主張したい内容に応じて考察を抽出できる傾向があり、また、実際の実験結果であるため信頼性が高く、主張の有効性が高いとの意見が出された。
明細書等の実施例の記載で対応する論点はここに集約されているかとは思われますので、ご参考にしていただければ幸いです。 次回は、審判実務者研究会報告書2025の内容の紹介2回目(商標における商品等の類否判断)であります。
