学生さんからこんな質問を受けました。
ある企業がデザイナーにデザインを発注した場合、そのデザインの意匠権は企業のものか、デザイナーのものか。
この質問に対して、はっきり回答することができません。発注条件によってしまうためです。
まず意匠を創作した場合、創作者の元に「意匠登録をする権利」という権利が発生します。これがないと有効な意匠権を取得することができません。そして、この意匠登録を受ける権利ですが、譲渡が可能です。
発注の条件、つまり契約の内容に、意匠登録を受ける権利を企業に譲渡することも含まれていれば、意匠権を取得できるのは、発注した企業ということになります。発注金額も、その権利の譲渡込みの値段、ということになります。
もし発注の段階で何も取り決めがなければ、意匠登録を受ける権利はデザイナーの元にあることになります。その結果、企業はそのデザインについて出願して意匠権を取得することができません。
このことは特許権でも同じことが起こります。
そう考えると、契約って非常に重要ですね。