学生さんから次のような質問を受けました。
一つの特許を出願してから権利取得するまで、どのくらい時間がかかるのでしょうか?
特許庁が毎年発行する特許行政年次報告書(知的財産をめぐる国内外の動向と特許庁の取組みをまとめたもの)の2021年度版によると、2020年度の特許出願に関する権利化までの期間及び一次審査通知(拒絶理由通知など)までの期間は、それぞれ15.0ヶ月、10.2ヶ月だったそうです。
特許庁は、これら二つの機関について、2023年度までに、それぞれ14ヶ月以内、10ヶ月以内とする目標を掲げています。
2019年までは、概ね順調に期間の短縮がなされていましたが、2020年度はちょっと伸びたようです。コロナの影響でしょうか。
特許の審査期間が長いと、権利範囲の予測ができないことから、事業環境が不安定となり、結果として新規産業を阻害するという弊害があると言われています。
そこで、2000年代初期から、ビジネスのスピードに間に合わせるべく、審査の迅速化を図るための施策が実施されています。
技術の開発スピードが上がっている昨今、特許出願の審査も、スピードが求められています。