PCT制度活用の時間稼ぎについて

こんにちは、GODIVEです。

今回は、当該時間稼ぎについて考察していきます。

PCT制度の説明資料(WIPO、下記URL)では以下のように時間稼ぎについて触れられております。
参考:https://www.wipo.int/export/sites/www/about-wipo/en/offices/japan/docs/pct_unitt_2016.pdf

p3
“新興企業は資金が限られており、 PCTは特許出願費用を先延ばしでき、市場を見極め、予期せぬ技術的な問題 を見極め、予期せぬ技術的な問題 を解決するための時間を稼ぐことができる大変重要な制度です。PCTがなけ れば、国際市場における発明の保護は 多額の初期費用がかかり、リスクの高い戦略になるでしょう。 ” (Steve Katsaros氏 Nokero社CEO)

p40(図示もされております)
例えば、最先端の研究分野で権利化国が決まっていない、事業のパートナーを見つけてから権利化国を決めたい、生産拠点が決まっていない、マーケティン グに時間がかかる、競合他社の動向が把握できていない、規格会議の結果次 第で決めたいなど、PCTではプラス1年半の余裕

上述を裏付けるデータとして、前回のブログで紹介した東京大学経済学部 藤本隆宏先生講義資料(p3、以下URL)で記載の主な技術の先行発売開始から発表に至るまでの期間(産業・製品分野別)があります。
参考:https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_files/eco_02/9/notes/ja/J_ba2_9.pdf

全体の平均でも41.03月(=3年5カ月程度)かかるといわれております。ソフト機械系統は平均に比べてば短いですが、いわゆる化学系(特に薬品・生物、消費者向け化成品、産業向け化成品・素材)は少なくとも4年以上はかかるといわれております。
仮に先行開発開始から半年程度で最初の発明が生まれて出願したとしても、2年後程度でないと、市場等を見極めることは困難と言えるかと考えられます。

となりますと、上述のSteve Katsaros氏のコメントのように、費用対効果を考えるとPCT制度活用で先延ばし、というのは意義あり、と言える、と考えられます。

 

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